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gemme du parfum

宝石のようにしづかに輝く、香りのおはなし。

【香りの読書】 「匂いたつ官能の都」

【香りの読書】
「匂いたつ官能の都」ラディカ・ジャ読了。

 

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『匂い』という感覚を通して描かれる、現代世界文学の最前線、仏ゲラン賞受賞作。人並みはずれて鋭敏な『匂い』の感覚を持ったインド系の女性リーラが、異国の都パリで体験する、もうひとつの『パリ』とは?
いま、世界で最もエスニックな都会であるパリを異邦人女性の嗅覚を通して描いて、世界十七か国に翻訳された鮮烈なデビュー作。(解説より)

 

玉ねぎが油と熱を含んで「死んだ」ときに発する言葉のようなにおい、養母が教えてくれたインドのスパイスとニンニクをふんだんに使った料理のにおい、幼い頃祖父がくれたザンジバルの古い薔薇と麝香の香水、輪廻転生というテーマを持つオリエンタルなゲランの「サムサラ」、埃っぽい男の頭皮の臭い、名前のない地下鉄のにおい…、

 

様々な記憶に残る「においの描写」が秀逸な小説。
しかも日本とも欧米とも異なる、異国のスパイスが漂う東洋の匂いが、何ともオリエンタル。

 

一番印象的だったシーンは、こちら。

 

「タマネギが匂いを出すのは水を含んでるからなんだ。それで目が痛くなって涙が出るんだよ。だから炒めて水分を飛ばすわけさ。」(中略)
「タマネギは最初、抵抗するんだよ。死ぬまいとして、水分にしがみつくわけだね。歌を歌って、大声で叫んで、こっちに呪いをかけようとする。そのとき、ひどい匂いを出すんだ。
でも結局、火や油の勢いには勝てなくて、あきらめてしまう。死んでいく人が最期の息を吐き出すみたいに、タマネギは匂いを残していく。その匂いがほかの食べものにしみこんでいくわけさ。(中略)タマネギの匂いは死にゆくものの匂いなんだよ。

 

ううん、すごい表現。

明日から料理をするとき、食材のにおいの声をそっと聴いてみよう。