gemme du parfum

宝石のようにしづかに輝く、香りのおはなし。

言葉を発さず、言葉を愛する場所

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おしゃべり禁止の、静寂と読書のためのカフェー。

高円寺にある「アール座読書館」という場所に訪れた。

ずっと以前から気になっていたのだが、今日初めて足を踏み入れることができた。

 

メニューに付属で書かれていたお店の説明には、

「お仕事などで使っていただいてももちろん構いませんが、ひとときだけでも読書や自分と向き合う時間をつくっていただけたら幸い」というよな内容があり、店主の時間や空間への愛情をひしひしと感じる。

 

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緑と蔵書と熱帯魚に囲まれ、ひとりっきりの時間を味わう…そんな贅沢は、せわしない現代では逆に貴重。

ゆらりゆらりと背びれ、尾びれを揺らす魚の優雅なこと。

のそりのそりと場所を移動している爪先サイズの貝にも愛おしさを感じてしまった。

音楽も聴こえるかな、くらいのボリュームのサティが耳にやさしく浸透してくる。

 

ドリンクは気になって頼んでみた、モンゴルの遊牧民がポットに入れて常備するという乳茶(ツァイ)。

やわらかい口当たりに、ほんのり塩(むこうだとモンゴル岩塩が使われるらしい)が重みを増していて癖になる味。

 

蔵書の中から、石を削って絵画のような判子をつくる人のエッセイをチョイス。

澄んだ白い陶器のくぼみに淡く映る青い影を「影青(インチン)」と呼ぶことを知った。

 

本はいつだって新しいことを教えてくれる。